2021年7月12日、吉祥寺のCat Cafe『てまりのおしろ』へ行ってきた。
諸事情で東京に滞在している元教え子と一緒だった。
元教え子が以前、友人と『てまりのおしろ』を訪れ、その雰囲気がとても気に入ったので、もう一度訪れたかったそうだ。
猫好きの僕は二つ返事で付き添うことにした。吉祥寺は遠かったが……。
店内は広いスペースに席がいくつか設置されている。土足厳禁で、床に座布団を敷いて座るタイプの席だ。
猫カフェというだけあって、あちこちにキャットタワーやキャットステップ、穴などがある。「変てこなお城」をイメージしたデザインで、異世界に迷い込んだような気持ちになる。
時間制限が無いため、追加料金を気にせず、好きなだけいられるのも嬉しい。ドリンクや軽食、カレーなども用意されているので、一日中ここで過ごすことも可能だ。
猫たちの健康を守るため、販売されているエサ以外を猫にあげたり、フラッシュ撮影したり、抱っこをしたり……はNG。あくまでも猫の世界に人間がお邪魔しているので、猫たちを脅かしてはいけない。
人間の相手をしてくれるのはさまざまな種類の猫たち――。エキゾチックショートヘア、アメリカンカール、ベンガル、マチンカンなど、血統書付きの高級な猫ばかりだ。当然、人間が入ってきたからといって媚びるように付きまとうことはなく、自分たちの好きなように勝手気ままに振る舞う。そこがいかにも猫らしい。
猫たちの名前は「きくらげ」「モップ」などとユニークだ。思わずクスッとさせられた。
僕と教え子の席には最初、猫たちがあまり寄り付かなかった。エサを持っていなかったのもあるが、それだけではなかったと思う。
僕はここしばらくギスギスした気持ちだった上に、睡眠サイクルの乱れや肌荒れなどもあって、体調もあまり良くなかった。元教え子もいろいろ大変な時期だ。2人から負のオーラが漂っていて、猫たちがそれを敏感に感じ取ったのかもしれない……
午後になると客も増えてにぎやかになり、僕たちの近くの席も埋まってくると、猫たちも僕たちの近くに来るようになった。ただ、僕にお触りされると、嫌そうな雰囲気を醸し出しながら、足早に去っていくのが悲しかった(笑)
僕たちは猫を眺めながら語り合い、時々席を立って猫を触ったり、写真撮影したりした。
猫たちはへちゃむくれな顔や短い足などがユニークでとても可愛い。性格もいろいろで、僕が撫でると大人しく撫でられるのもいれば、嫌そうに体をよけるのやフーッとと威嚇してくるのもいた。ずっと寝ていて、スタッフがエサを持ってきても、ほとんど食べない猫もいた。お疲れだったのだろうか?
かつて僕の実家では5匹の猫を飼っていて、猫触り放題&抱っこし放題を体験していたので、ちょっと寂しさもあったが、媚びない猫の魅力は確かにあった。猫は本来、人間そっちのけで自由に生きるのであり、必ずしも人間にベタベタするわけでない。そういう猫も僕は好きだ。
先客のおじさんの膝には猫が載っていたが、どうもこのおじさんは常連みたいで、猫たちを名前できちんと呼んでいた。猫たちと仲良くなりたければ足しげく通うのが一番なのだろう。
元教え子は、猫を触りまくるというよりも、猫がいる穏やかな雰囲気の中で僕と話したかったとのこと。その目的は十分達成された。
『てまりのおしろ』は、誰かと一種の訪れて猫と戯れたり、一人で訪れて猫を眺めながら仕事したり……さまざまな楽しみ方のできる場所だった。おしゃれな街の吉祥寺をブラブラ散策した後、休憩のために寄ってみるのもいいだろう。
是非ともまた訪れたい猫カフェだった。