不思議な巡り合わせで人との出会いや仕事に恵まれる人生は運がいい?

自分に限った話なのかもしれないが、僕の人生は不思議な巡り合わせで成り立っている。

僕の前職はIT業界だった。しかし、会社の人たちや現場の人たちにはとても大切にしてもらったものの、仕事があまりにも面白くなくて、2年くらいでドロップアウトした。

退職数か月前、「会社を辞めた後にできそうなことは何か?」と考えた結果、大学時代から地元で続けてきた教育の仕事を思い出した。そこで某マッチングサイトで家庭教師登録したところ、すぐに3件のお問い合わせがあって指導スタートした。そのうちの1件から仕事が広がっていって、とりあえず家庭教師だけで最低限の生活を維持できるようになった。

この頃、「妖怪さんぽ」というイベントに参加し、俳優・声優の打田マサシさんと出会った。さまざまな活動に積極的な打田さんのお姿に憧れ、僕もあちこちのイベントに足を運ぶようになった。名刺を作って配り始めたのもこの時期だ。

妖怪イベント→アートイベント→アングライベントと深みにハマっていき、そこで「フェチフェス」というイベントと出会った。フェチフェス広報のお手伝いということで取材を開始。イベントに遊びに行くだけでなく、出展者さんに話を聞いたり、写真撮影をしたり……ということを続けていくうちに、「ライターの仕事を本格的にやりたい」と思い始めた。

ちょうどいいタイミングでインタビューライターの大橋博之さんに出会い、ライターとして活動していく上で大切なノウハウを教えていただいた。特に「寄稿したいメディアがあれば、メールで営業するといい」というアドバイスは、僕のその後のライター人生を大きく変えるきっかけとなった。

フェチフェスで取材していた経験をPRして、いくつかの大手メディアに営業メールを送り、実際にいくつかで採用された。大手メディアの看板を掲げて、展覧会の内覧会を取材できるようになって、僕の仕事の幅が大きく広がった。

営業をかけたクライアントさんからしばらくして継続案件をいただき、現在に至る。この案件のおかげで、僕の生活から経済的な不安がなくなった。ありがたや、ありがたや。

他にも、マイナビさんで記事を書かせてもらったり、エール出版社さんから書籍を出版したり……。いろいろやりながら、現在は家庭教師の仕事を縮小する方向で動いている。

ちょうど今は生徒もほとんどいないので、残っている生徒一人一人に時間をかけつつ、自分の将来も考えて、あれをやったりこれをやったり……。ここ数年、「落ち着いて自分のためになることをしたい」と思っていたので、それができる充電期間と捉えている。四十歳まであと数年――。残りの三十代で何をするかで、人生は大きく変わってくるだろう。

そういえば何年か前、叱り飛ばした生徒の保護者から契約解除の電話をあった直後、ライターの仕事を依頼する電話がかかってきた。偶然にしてはよくできている。人との出会いや仕事も含めて、こういう不思議な巡り合わせで人生が動いていることは自覚している。

僕は運がいい方なのだろう。その運がこれからも続くのかどうか、いろいろ考えさせられるが、考えたところでどうにもならない。どうにもならないので、とりあえず寝る……。

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