怪獣芸術家ピコピコ『ピコピコ怪獣大図鑑』展@mograg gallery

2021年5月1日、怪獣芸術家ピコピコ『ピコピコ怪獣大図鑑』展へ足を運んだ。

ちょっとした勘ちがいのせいで道に迷った挙句、会場のmograg galleryは仕事でよく訪れている場所にあったという……。しかも、大粒の雨が降ってきて……。悲劇を通り越して喜劇だった。

怪獣芸術家ピコピコ『ピコピコ怪獣大図鑑』展@mograg gallery

それはさておき、僕が尊敬するピコピコ先生(@picopicoshimbun)は、「怪獣」をテーマにしたアート作品を手がける「怪獣芸術家」だ。

ピコピコ先生の生み出す怪獣は、『ウルトラマン』などの特撮に登場する怪獣とは一線を画する。さまざまなモチーフから創作された怪獣たちは、ヒーローとセットで登場するわけではなく、怪獣自体が主役なのだ。しかも、人間に危害を加える怪獣特有の禍々しさはなく、愛嬌のある怪獣ばかり――。

有名な怪獣としては、2014年に日本テレビ系で放送されたドラマ『ST 赤と白の捜査ファイル』に登場する「ガッキー君」が挙げられる。ガッキー君のモチーフは「人体模型」。左右非対称なデザインとユーモラスな表情は、一度見たら決して忘れられないはず。(詳細はこちら

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小悪獣ムーチョ、やんちゃ怪獣ベッコス、のんびり一角獣ツノゴンあたりはピコピコファンの間で常識だが、他にも雑談怪獣ガゴモ、ほじくり怪獣ゲメンコ、やり直し怪獣オントロー、下町怪獣ネロリなどなど、「えっ?それを怪獣にする?」とツッコみたくなるような、個性豊かな面々である。

そんなピコピコ怪獣が一堂に会した個展は見応えあり過ぎ!

見渡す限りの怪獣、怪獣、怪獣――。しかも、アクリル画・立体作品・ソフビ・着ぐるみ……と、さまざまな技法で生み出された怪獣たちと出会えるのが面白い。怪獣によっては前後左右上下のいずれの方向からも見ることができて、「ほおぅ、こうなってるのか!」と唸ってしまうこと間違いなし。

作品を鑑賞するだけでもあっという間に時間が過ぎるが、会場を訪れるお客さんの声に耳を傾けてみるのも一興だ。

幼い男の子がお父さんに「図鑑が欲しい!」とねだって、お父さんに「買っても本当に読むの?」と何度言われても首を縦に振り、最終的には図鑑をゲットしていた。未来を担う怪獣ファン誕生の瞬間だった。

若い二人組の女性が会場入りするなり、一人が「一目ぼれした!」と言っていた。ピコピコ怪獣は女性の心をも鷲掴みにするのだ。

そして、僕も男の子のように、お目当ての『ピコピコ怪獣大図鑑』をゲットした。会場にはピコピコ先生ご本人もいらっしゃって、サインも入れていただいた。ピコピコ先生はサービス精神旺盛なので、ベッコスとムーチョの両方を描いてくださった。ありがたや、ありがたや。

缶バッジガチャガチャにも3回チャレンジ。ツノゴンと大巨人ボーボー、ピコピコ先生曰く「怪獣ですらないゴリラ(笑)」の3種類だった。どの怪獣(+ゴリラ)もいい味出している。

最後に『ピコピコ怪獣大図鑑』の紹介だが、これがもう、情報量がすごいことになっている。掲載されている怪獣一体一体にストーリーがあって、「なるほどね」と納得させられるものから、思わずニヤリとしてしまうものまで、実にさまざまだ。

今パッと開いたページはたそがれ木人キッキーだった。キッキーは「学芸会の時に、木の役しかやらせてもらえなかった少年の怨念が怪獣化した姿である」という。この時点でピコピコ先生の発想力に脱帽なのだが、続く文章で「そう、自分は木だ。……それだって立派な人生じゃないか。」と人生論が語られ、なかなか奥深い。

『ピコピコ怪獣大図鑑』は、冒頭でピコピコ先生の活動の軌跡が紹介され、付録として怪獣着ぐるみの作り方や「怪獣日記」の一部なども収録されている。怪獣の絵や写真を眺めるもよし、怪獣の背後にあるストーリーを楽しむもよし、ピコピコ先生の怪獣芸術の本質に迫ってみるもよし、大人から子供まで楽しめる一冊である。僕も時間をかけてじっくり読み込もうと思う。

何年か前、深夜イベント「デパートメントH」に遊びに行った僕は、ピコピコ怪獣の一体であるご開帳怪獣タイデロンを写真撮影させてもらった後、タイデロンにパクっと挟まれてしまった。あのときの快感が、怪獣芸術家ピコピコ『ピコピコ怪獣大図鑑』展をきっかけにムラムラッと……。怪獣好きであることを改めて実感させられるひとときだった。

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