シャワーを浴びようと思って浴室に入ったら、目の前の床が茶色くなっているのが気になった。
前から気になっていたこともあり、洗剤をかけてスポンジと歯ブラシでゴシゴシ……。シャワーの水で流したらキレイになった。ほんの数分の出来事だった。
浴室全体を掃除しようと思うと数十分かかる。だから、「面倒だ」という気持ちが強くて、1か月に1度くらいしか風呂掃除をしない。
ただ、今回のように気になる部分については、シャワーを浴びるついでに掃除するようにしている。排水溝の髪の毛も週に一度くらいは取っている。
こういうちょっとした積み重ねの結果、浴室は綺麗な状態が保たれている(と思う)。
風呂掃除に限らないが、どんなことでも、一気に全部やろうとすると、どうしても時間がかかる。手間がかかる。そして、「面倒だからやりたくない」という気持ちになる。
ライターの仕事でもそうだ。
1記事仕上げようと思うと数時間はかかるので、つい「面倒だ」となって、手が止まってしまう。夜に酒を飲んでしまうとなおさらだ。
そういうときは、「とりあえず記事の参考になるサイトだけでも見つけておこう」「画像の加工や入稿は後でもいいので、記事本文だけでも書いておこう」などと、やるべきことを区切ってやることにしている。途中までの作業だが、これをやっておくだけでも、次の日はかなり楽に仕事が捗る。
やるべきことを細切れにして、できるときにやっておくのは、生活でも仕事でも大切なことだ。
家庭教師として生徒たちを指導していると、学校の課題などがやり切れない生徒には共通点がある。一気に全部やろうとすることだ。
後々ワーク提出があって、そのページ数が数十ページになるのがわかっているので、僕は早い段階からワークを何ページかずつ宿題に出していく。
僕の指示通りにワークに取り組んでくれる生徒は、定期テスト前に、ワーク提出のための作業で苦しまない。一方、指示に従わない生徒は、定期テスト前に終わらせるべきワークのページ数を見て、「こんなにやらなきゃならない」と絶望する。絶望するのがわかっているから、僕は前々から声をかけていたのだが……。
僕の指示に従わない生徒たちは「後で一気に全部やればいいや」と思っているようだ。そして、「自分は一気に全部できる」と思い込んでいる。しかし、実際には追い詰められた挙句、やり切れない。もしくは、辛うじてやり切ったとしても、テスト勉強ができずにテスト本番で撃沈する。
人によっては一気に全部やってもやり切れるのかもしれない。しかし、やり切るためには多大な時間と労力が必要となる。「面倒だ」という気持ちが強まって手が止まる。
先延ばし癖は強い人は、こうして自らを追い込んで、場合によっては精神を病んでしまう。
「後で一気に全部やればいいや」ではなく、「これだけでもいいから今やっておこう」に切り替えれば、気持ち的にも、時間的・労力的にも後々楽になるのだが、それがなかなかできない。自分もそういうところがあるので、事情はわからないでもないが……。
繰り返しになるが、やるべきことを細切れにして、できるときにやっておく習慣は大切だ。
というわけで、僕も確定申告の記帳作業をこの時期から始めたい(笑)