岩永嘉弘『絶対売れる!ネーミングの成功法則―コンセプトづくりから商標登録まで』を読む

将来的に新しいサイトを開設する際、サイト名をどうするべきかを考えていたので手に取った本が岩永嘉弘『絶対売れる!ネーミングの成功法則―コンセプトづくりから商標登録まで』だ。

書かれている内容は当たり前のことが多いが、その当たり前を再確認するのにはよかった。

まず、モノやコトに名前を付けることを「ネーミング」と定義した上で、そのネーミングが果たす役割は次の2点。

  • 惹きつけること。
  • 覚えさせること。

ネーミングは、人に商品を手に取ってもらったり、店に入ってもらったりするために行われる。しかも、人の記憶は時間とともに薄れていくという前提で、「また後で」と考えてその場を去った見込み客に覚えていてもらえる名前を付けなければならない。

ネーミングは「売る」ことが使命であり、マーケティングの一部であるといえる。

次に、このことをふまえてネーミングを設計する際は、次の4つを事前に行わなければならない。

  • 商品特性の抽出
  • マーケティング・コンセプトの確認
  • ターゲットの把握
  • アプローチの設定

商品の成り立ちやイメージを理解し、競合する商品の傾向を把握し、誰に対して発信するのかを決め、言葉の候補を探すための方向性を決める。ターゲットの把握で一人の人物を具体的に下層設定するという手法が紹介されていたが、これはいわゆる「ペルソナ」だ。

ここまでが原理原則のような内容で、残り半分以上のページには言葉の探し方や組み合わせ方、調査・登録の方法、ケーススタディといった具体的なノウハウが書かれている。

原理原則の部分はWebサイトを運営するときのノウハウとほぼ同じなので、これといって目新しいテクニックなどがあるわけではない。SEOを意識したサイト運営をしているのなら、それをほぼそのままネーミングにも流用できる感じだ。

個人的には、一文字や二文字の短い名前と、「寿限無寿限無……」のような長い名前のどちらが長く残るのかは気になるところだ。最近はラノベやA●などで後者を見ることが多いが、結局略されて短い名前で知れ渡っているので、ネーミングの視点から改めて商品名をチェックしてみたいと思った。

新しいサイトのサイト名を決めるときは、当たり前だが「惹きつけること」と「覚えさせること」の2点は強く意識したい。

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