『追え! 日本の妖怪スペシャル』の読みどころを執筆協力者が語る!

2017年12月7日、『追え! 日本の妖怪スペシャル』が朝日新聞出版から発売されました。

この本の制作にあたって、僕は妖怪105体の解説文を書きました。本記事では、執筆協力者の一人として、『追え! 日本の妖怪スペシャル』の読みどころを紹介します。

さまざまな工夫と豊富な情報量

『追え! 日本の妖怪スペシャル』は、単に妖怪を紹介するだけでなく、さまざまな工夫があちこちに散りばめられています。

まず、少年・鳥之助とその師匠である僧・導林が全国を旅する、という設定。解説は、導林が鳥之助に語りかける体裁になっています。鳥之助の記憶にまつわる謎解きもあって、本全体がストーリー仕立てになっているのもおもしろいですね。

次に、「妖力パラメータ」。「すばやさ」「強さ」「危険度」「イタズラ度」「神々しさ」の5つについてパラメータ表示されていて、こういうのに子どもは食いつくはずです。もっとも、何を根拠にパラメータを算出しているのかは不明ですが……(笑)

最後に、「妖怪にまつわる人物列伝」「鳥之助草子」などのコラム。各妖怪の解説だけでなく、周辺の情報もたくさん盛り込まれているので、豊富な知識を得られます。子ども向けの本とはいえ、大人が読んでも楽しめる一冊になっていますよ。

マニアックな妖怪のオンパレード

自分で書いた文章を自慢するのもどうかと思いますが、『追え! 日本の妖怪スペシャル』の解説はかなり充実しています。妖怪の特徴や性質を紹介するだけでなく、その妖怪がどこの地域に語り伝えられているのか、どんな書物に記載されているのか、などにも言及しているからです。

何よりも、マニアックな妖怪のオンパレードが嬉しいですね。河童や天狗といった有名妖怪も載っていますが、「イワイセポ」「蟷螂坂」「かぶきり小僧」といった妖怪も盛りだくさんです。

子どもは、他人が知らないことに興味を示しがちです。マニアックな妖怪たちが子どもの好奇心をチクチク刺激しますよ。また、「妖怪博士」を自負する子どもにとっても、新たな出会いがいっぱいあって、「こんな妖怪がいたんだ!」と大満足のはずです。

色彩豊かで美しい妖怪イラストがたっぷり

『追え! 日本の妖怪スペシャル』には、色彩豊かで美しい妖怪イラストがたっぷり!イラストを眺めているだけで、妖怪好きなら涎を垂らしてしまいます!

妖怪イラスト担当は、イラストレーターのなんばきびさん(@nanbakibi_tw)。僕はなんばきびさんの妖怪イラストが大好き過ぎて、Twitterアカウントをフォローさせていただいたほどです(笑)

そんななんばきびさんが、伝統的なモチーフを踏襲しつつも、現代風のオリジナル要素も加えて、生き生きと妖怪たちを描きました。どの妖怪もリアルで、ページから飛び出してきそうな迫力があります。怖い妖怪もいれば、可愛らしい妖怪もいます。グロテスクさを前面に出したイラストは無いので、小さな子どもにも安心ですね。

合間太郎さん(@aima0312)、KIRYUさん、iculaさん(@icula_uran)他、多数のイラストレーターさんが参加しています。フルカラーの『追え! 日本の妖怪スペシャル』は、画集としても一見の価値があります!

妖怪好きのお子さんへのプレゼントに最適

『追え! 日本の妖怪スペシャル』は、とても密度の濃い一冊です。僕は結構な量の妖怪事典や妖怪図鑑をコレクションしていますが、それらの中でも一二を争うくらいの妖怪本だと思っています。自画自賛になってしまいますが、そのくらい自信をもってオススメできる一冊です。

妖怪好きのお子さんへの誕生日プレゼントやクリスマスプレゼントにいかがでしょうか?お父さんやお母さんも妖怪にハマってしまうかもしれませんよ。

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