「毎日この日記ブログを更新する」と目標を立て、実際に更新し続けて約半月経った。
日記ブログの方針は「役に立たない文章を書き散らす」だ。Twitterで呟くようなどうでもいいことについて、10ツイート分くらい(約1400字)のまとまった量の文章で書いていく。そこには「誰かの役に立つ情報を発信しよう」という意図はない。そうなると当然SEOの効果も期待できなので、読者はせいぜい、Twitterのリンクから流入してくる人に限られるわけだが、それで構わない。
10年くらい前は、ブログは個人の公開日記のような趣があった。しかし、有名ブロガーが誕生して収益化について語り始めたことをきっかけに、「日記ブログは稼げない。特化ブログを書こう」という流れが生まれた。グーグルのアルゴリズムアップデートが行われるたび、日記ブログはネット世界の隅へと追いやられ、特化ブログが検索トップに躍り出るようになった。現在はその傾向がさらに強まっている。
しかし、僕は「多くの特化ブログはつまらない」と思う。アフィリエイターが量産した特化ブログは、ただ長ったらしいだけで、情報の質が悪く、読んでも得られるものがほとんどないからだ。これは個人が運営する特化ブログに限らず、検索トップに表示される大企業の公式サイトの記事にも同じことがいえる。
たとえば、「貯金1000万」で検索すると、「所得から必ず天引きする」「衝動買いしない」「飲み会に行かない」など、どうでもいいことが長々と書かれているブログばかり。「1000万円を貯めたいなら、お金を使わなければいい」というだけの話なのだが、それだとたった一文で終わってしまうので、言われなくてもわかる当たり前のことを書いて字数稼ぎをしているのだ。
「貯金1000万」に限らず、質の悪いブログが多い。商品紹介だと「開封の儀」から始まったり、株式投資の方法論を紹介すると見せかけて別の投資に誘導したり、記事とは関係ない画像が大量に挿入されていたり……。検索上位にランクインさせるために網羅性などを意識しているのだろうが、そのせいで逆に、読んでいてイライラさせられるブログが増えてきた。現在の特化ブログは、ネット上にゴミをまき散らしているだけだ。もちろん、中にはまともなブログもあるが、ゴミの方が多い印象だ。
そんな時代に、昔ながらの日記ブログの良さを思い出した。自分の知っている有名な日記ブログをいくつか読み直して、濃厚に滲み出ている筆者の思い、というかドロドロした怨念のようなものを味わい、「『有益な情報を提供する』と言いながらゴミをまき散らすよりも、完全に読者を無視した方が潔い」と感じた。
自分も、日記ブログなら好きなように書けるし、書いていて楽しいし……。
というわけで、この日記ブログはこれからも、誰の役にも立たない、独りよがりな文章を書き散らす場であり続けるだろう。役に立たないどころか、面白くもない。だから、誰にも読まれないだろうが、それで構わない。自分のために書いているのだから。