先日、きゅうりのぬか漬けを買った。今までもぬか漬けを買ったことはあるが、今回はぬかのついたきゅうりが丸ごと2本入っているのだった。で、困ったのが食べ方だ。
きゅうりに付着したぬかをそのままにして食べるのか?それとも、洗い流してから食べるのか?
祖母はよく漬け物を作っていたが、ぬか漬けは作らなかった。母もぬか漬けは買わなかった。だから、実家の食卓にぬか漬けが並ぶことはなかった。当然、ぬかのついたままのきゅうりをどうすればよいかも知らない。
困ったときのグーグル先生。「ぬか漬け 食べ方」で検索してみると、「ぬか漬けを洗うべきかどうか?」といった内容のサイトがいくつもヒットする。それらをペラペラと見ていくと、どうも洗っても洗わなくてもどちらでもよいようだが、洗った方が美味しいっぽい。
サイトの中には「ぬか自体は食べられる」とか書かれていて、「そんなの当たり前だろ!」と思わずツッコんだ。どうでもいい情報が詰め込まれているのは、先日の記事で書いた通り。
ゴミ情報が多くてうんざりするが、それを我慢すれば、知りたい情報が瞬時にわかるという点では便利。ぬか漬けの食べ方に情報の正確性もへったくれもないので、こういうシーンではグーグル先生に感謝!
しばしば僕は「何でも知っている」と勘違いされる。しかし、実は常識的なことの多くを知らない。特に食べ物に関する知識は皆無に等しい。
何となくハムやベーコンを買って、生で食べた後に、ふと疑問が生じる。
――ハム(ベーコン)って、生で食べていいの?
実家では、母親がハムやベーコンを生で出していたので、そのまま食べられるものだと思い込んでいたが、よくよく考えるとその食べ方にリスクがなかったのかどうかが不安になる。で、やはりグーグル先生に質問。「ハム 生で食べれる」がキーワードの候補にあり、そこからヤフー知恵袋などに飛んで、「加熱調理済み」のものは大丈夫とのこと――。慌ててパックの記載を見て「加熱調理済み」とあるのを確認し、ホッと胸をなでおろした。
「うるめいわしの干物」なるものを買ったときも、買った後に食べ方を調べた。買うときに「ガスコンロの火で炙れば食べられそう」と思い、それで食べられるかどうかを確認する前に買ってしまったので、仕方なく事後リサーチ。予想通り、火で炙れば食べられるみたいで安心した。その後、干物と同じだと思って「うるめいわしの丸干し」を買い、同じように火で炙っただけでは不十分だった……。
とにかく食べ方がわからない。
先日発掘された賞味期限切れのカレールーも、他人様に差し上げるわけにいかず、捨てるのももったいないので、「ルーだけ溶かしたら具無しカレーになるのでは?」と思い調べてみたら、どうやらこれでもいけるみたいだ。実際に「具無しカレー」にチャレンジしてみたら、思った以上に美味しかった。
現代では、食べ方に限らず、大抵のことはネットで調べればわかるので便利だ。20年前だったら、知らないことがあったら、実家に電話して母に聞いてみる――だったのだろうが、面倒だし、無知を晒すのも恥ずかしい。ましてや、赤の他人には聞けないし、図書館で本を探すにしても……。
時代は変わった。知らないことをこっそり調べられる時代に、「知らないから教えてください」とはなかなか言えない。それは息苦しさにつながるのかもしれない。
もっとも、友達がほとんどいない僕にとっては、グーグル先生の力を借りながら、自分で何でもできるようになったのはありがたい。一人暮らしも辛くない。