取材記事の写真では情報量が命!ライターはカメラ沼にハマらなかった

取材を始めてしばらく経ってから、一眼レフカメラを買った。Canonの「EOS Kiss X5」という型落ちのレンズセットだ。

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立派な道具を手にすると、「良い写真を撮らなけらばならない!」と思い始めて、撮影技術に関する本やプロカメラマンの写真集などを買った。

付属のレンズでは暗い場所で動きの速い人などを撮れなかったため、当時は7万円くらいした「SIGMA 標準ズームレンズ 17-50mm F2.8」を購入。これで、夜のイベントもフラッシュなしで、ある程度撮影できるようになった。

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最初の頃はJPEGで撮影していたが、RAWで撮影するようになり、DPP(キャノンが提供する、RAW現像のためのアプリケーション)で現像する方法も覚えた。暗めに撮影して、現像でちょっといじって綺麗にするなどして、それっぽい写真に仕上げるコツも習得した。

こうしてカメラ沼へハマっていった。……わけではなく、ハマりそうになる一歩手前でふと気づいた。

――僕がやるべきは、プロカメラマンのような美しくて芸術的な写真を撮ることではなく、文章では表現できない情報を写真を通して過不足なく伝えることだ。美しくて芸術的な写真はプロカメラマンに任せておけばいい。

僕は撮影技術に関する本をすべて処分した。もう必要ないので。

外付けフラッシュを買おうかどうか随分悩んだが、買わないことにした。使う機会はないので。

写真をさらに美しくするため、加工に便利なPhotoshopを買おうかどうかも悩んだが、こちらも買わないことにした。現像に時間をかける時間がもったいないので。

カメラ沼に背を向けた後は、取材でも写真をぱっぱと撮るようになった。写真はあくまでも情報を補完する役割を担うものだ。構図がどうこうを気にするよりも、一枚の写真に情報が過不足なく収まった方がよい。取材記事では、掲載できる写真の枚数も限られているし。

もちろん、取材対象の魅力をできるだけきちんと伝えられるように加工はする。しかし、それよりも大切なのは情報量だ。コミケなどでコスプレイヤーさんを趣味で撮影するのとは違う。

たとえば、物販ブースを撮影するなら、可愛い売り子さんだけをアップで撮るのではなく、できるだけブース全体も収まるように撮って、一つでも多くの商品を一枚の写真に収める。売り子さんが複数人いるなら、全員に集まってもらった写真の方が好ましい。

自分のやるべきことを理解してからは、撮影に迷いがなくなった。取材先にも、自分が何のために写真を撮るのかをはっきり伝えられるようになった。同時に、撮影や現像に時間がかからなくなった。記事作成が速くなった。

――僕はカメラマンではなくライターだ。

そんなことを意識しながら、僕は取材している。……と偉そうなことを言いつつ、最近はもう、ほとんど取材をしていない(笑)

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