2020年1月にSBI証券で証券総合口座を開設し、株や投資信託の取引を始めてから約1年半が経った。
口座開設直後は新型コロナウイルスが世界的に流行していなくて、日経平均も24,000円くらいだった。最初の頃は買うのが楽しくて、「この企業の株がこんなに安いんだ!」みたいな感じで適当に買っていた。「企業を応援する!」「株を通して経済を勉強する!」という考えもあった。
株価全体が上昇していたので、数千円の含み益になることもあった。そこで売ってみたら、今度は売って買って売って買って……が楽しくなった。
この頃は、株取引のテクニックについて書かれた本も何冊か読んだ。チャートの形を見て、テクニカル分析っぽいこともした。「もっと儲からないかな?」という気持ちが強まっていった時期だ。
しかし、突如として悲劇が訪れる。コロナの影響が日本にも及んで株価全体がだだ下がったのだ。コロナショック!
僕の保有株も含み益だったのが、含み損が5,000円→50,000円→500,000円→……のように膨らんでいった。損切りするにもできない。仕方ないので、塩漬け覚悟で保有し続ける決意をした。一方で、入金額も増やしていって、思いっきり安くなっていた銘柄を買い増ししたり、新規に買ったりした。
そんな含み損まみれの時期が半年くらい続いただろうか?
絶望しかなかった株価が徐々に伸びてきて、保有株の中にも含み益が……。そういう銘柄を「これはチャンス!」と売っていった。これがいけなかった。
日経平均は、2020年1月頃の24,000円台を突き抜けた。僕が売ってしまった銘柄のいくつかは、株価が2倍、3倍、さらには5倍以上になったものもあり、「あのとき売らなければ……」と後悔したのはいうまでもない。
ちなみに、何回か損切りをしたのだが、その後に決まって株価が上昇するという嫌がらせに悩まされた。挙句、誤発注で売ってしまって十数万円の損失を出した上、その売った銘柄の株価が後に2倍くらいに上昇して、僕の頭の血管がプチッと切れそうになる、という苦い経験もした。
一方、買いの方は、「二番底が来る」という噂がまことしやかにささやかれていて買うに買えないでいた。しかし、「眺めていても仕方ない」と思い、あるときから少しずつ買い始めた。
一時期はまた、買って売って買って売って……をやったのだが、それも段々面倒になってきた。しかも、売り時に失敗して、結構な額を損しているっぽい。そこで戦略を切り替えた。
「どうしてこんなに安いんだ?」と思う銘柄を買って、さらに株価が下がったら買い増しする。同時に、頻繁に売らず、「このくらいが妥当だろう」というところで指値で売り注文を入れておくことにした。要は、スーパーで半額の食料品を買って冷蔵庫に入れておくのと同じ戦略だ。株には賞味(消費)期限がないので、食料品よりも中長期保有に向いていた(笑)
そんなこんなで日経平均が30,000円台になって、僕の半額品、もとい保有株たちもイイ感じに含み益となった。2021年5月21日時点では、その含み益もだいぶ減ったが、それでも評価損益合計はそれなりのプラスだ。
つみたてNISA(積立NISA)や、コロナショックのただ中に買って放置している投資信託も含めてだが、証券総合口座を開設して1年後には、入金額の+20%以上に資産は増えた。あんなに下手くそな取引をしたにもかかわらず、だ。
今でも毎日口座は眺めている。しかし、株の頻繁な売買はしていない。激安で潰れなそうな企業の株をちまちま買って、指値で売り注文を入れておいて、売れたらまた別の株を買って……。この繰り返し。そこに「儲けたい」とか「楽しい」とかの感情は無い。波乱の一年間でいろいろ学んだことで心が強くなり、感情を入れずに保有株を眺めていられるようになった。
何を基準にどう売買しているのかという具体的な話は別の機会に書くとして、今日はざっくりと投資一年目を振り返った。
最後に一言――。
僕にとって、株取引は半額品を買うことと同じだ!
以上。